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糖尿病治療薬メトホルミンに大腸ポリープの予防効果!!

 日本人の40歳から89歳までの死亡原因の第一位は「悪性新生物」、つまり「がん」です。
2013年で「がん」による死亡率を部位別で見ると、大腸がんは男性で3位、女性で1位となっており、その数は増加傾向にあります。
このため、大腸がんの死亡を減らすことは非常に重要な意味を持ちます。

 このたび、横浜市立大学医学部中島教授らのグループは、糖尿病薬メトホルミンにより大腸ポリープの発生を予防できたとする論文を発表しました。
(プレスリリースはこちらを参照下さい。)

 大腸ポリープ(大腸腺腫)は、大腸がんの前がん病変であり、特に10mm以上のものはがん化のリスクが高いことが知られています。
便潜血反応陽性などで、大腸内視鏡を行われた患者さんでは、大きい大腸ポリープ(大腸腺腫)が見つかった場合は、大腸がんの予防のために内視鏡的に切除が行われます。
大腸ポリープ(大腸腺腫)を認めた患者さんの中には病変が多発していたり切除後に別の場所に再発する場合もあり、大腸内視鏡での切除を繰り返す例も珍しくありません。
大腸がんの予防には脂肪分を減らした野菜中心の食生活を行うなど生活習慣の改善が第一ですが、それだけでは再発が十分に抑制できないことは明らかです。

 以前から薬剤を用いたがんの予防(化学予防)の研究が行われており、大腸がんではアスピリンが再発予防に効果があることが知られています。
しかし、アスピリンは消化性潰瘍の発生や易出血性のリスクがあることから、臨床的に実用化されるに至っていません。
このため、より安全な化学予防薬の研究が行われてきました。

 糖尿病の治療に用いられるメトホルミンは、古くからある薬剤で多くの患者に投与されています。
以前から、メトホルミンを服用している糖尿病患者には大腸がんの発生が少ないという報告がなされていました。
今回の発表ではメトホルミン250mgを内服することで、1年間の大腸腺腫の発生が偽薬を投与された群と比較して40%も低下があったとのことです。
 メトホルミンによる低血糖症状などの重篤な副作用もなく、大腸がんの化学予防薬としてメトホルミンが有用であることを示す結果となりました。

 この研究は1年間のみの追跡ですので、さらに長期間の服用で効果や副作用の発生の検討がなされるべきではありますが、大腸がんの予防投薬により患者さんのがん化リスクを低くできることは有用で、早期の実用化が期待されます。

 (当院では現在、大腸内視鏡検査は行っていませんが、近隣の連携病院で検査を行うことが可能です。)
垂水区近郊にお住まいの方で、便秘・腹痛などの症状でお困りの方は、かわクリニックの消化器内科へご相談下さい。