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ロキソニンは安全な薬なのか? 厚生労働省による「重大な副作用」の追記を受けて

先日、外来にいらした患者様から「ロキソニンを飲んでいるけれど、安全な薬なのか?」という質問がありました。

 お話をよく伺うと、先日厚生労働省が「重大な副作用」に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追加するように添付文書の改定を指示した報道をうけて不安に思われたとのことでした。

 お答えした答えをを先に書くと、

「ロキソニンの作用・副作用を十分理解し、副作用による不利益よりも投与することによる利益が大きいと判断される場合で、安全性に十分配慮されて適正に処方・使用されるならば、安全である」
ということです。

 どんな薬も、症状が改善することを期待されて処方されますが、同時に薬の副作用を十分に理解していなければなりません。
ロキソニンは非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)という種類の薬で、よく効く薬として非常に多く処方されています。
カゼの喉の痛みや発熱、膝や腰の痛みなど、その使用される症状は多岐にわたります。
また、2011年からは「ロキソニンS」として薬局でも市販されています。

 また一方で、ロキソニンは副作用の多い薬として医師の中では知られています。
特に、胃潰瘍・十二指腸潰瘍は比較的よく見られる副作用です。
ロキソニンを単独で長期間使用すると潰瘍を生じることが多いので、よく胃薬(胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護剤)と一緒に処方されます。
それでも、ロキソニンが処方されるのは、アセトアミノフェンなどの他の消炎鎮痛剤とくらべても効果が高いからということだと思います。
(患者さんによっては胃腸の痛みにロキソニンを飲んでいる方がときどきいらっしゃいますが、ロキソニンをはじめとするNSAIDsは胃腸の痛みには全く効かないばかりか、さらに胃腸を荒らし、潰瘍ができる原因になりますので絶対にやめましょう。)

 今回、ロキソニンの「重大な副作用」に追加された「小腸・大腸の狭窄・閉塞」は、個人的には経験がありません。
報告では3年間でこのような患者が6人存在し、そのうちの5人でロキソニンとの因果関係が否定出来ないとのことです。
全国でロキソニンやそのジェネリック医薬品が投与されている人数は膨大な数にのぼりますから、今回の副作用の報告数は少ないといえるかもしれません。
また、この副作用の原因ははっきりとはわかりませんが、NSAIDsによる消化管障害はよく知られていますので、おそらくロキソニンの長期投与で小腸や大腸の潰瘍が繰り返し生じる中で、治る際に瘢痕化し腸管が狭くなったのではないかと思います。

 このようなことから、安全を十分配慮して使用される限り、現在ロキソニン使用している人がやめる必要はないし、これからも処方をやめる必要もないと考えます。
ただ、症状がなくなったあとも漫然と使ったり、処方された回数以上の服用は絶対にやめるべきです。

一番大事なことは、ロキソニンに限らずどんな薬にもリスクがあることを知っておくということです。

(筆者とロキソニンを製造販売する第一三共株式会社やそのジェネリック医薬品メーカーとの利害関係は一切ありません。)
 今回の報道で不安に思われる方は意外に多いようです。
患者様ごとに内服の状況が違いますので、不安な方はご相談下さい。