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【神戸市民・50歳以上の今年度偶数歳の方】胃がん内視鏡検診を受けてみませんか?

2020/10/28
経鼻内視鏡
コロナ禍のなかで、COVID-19とインフルエンザの同時流行が懸念されており、普段から健康を維持することの重要性がこれまで以上に認識されていると思います。

胃がんは早期発見できれば完治することができる病気になっていますが、残念ながらまだまだ進行がんで発見され命を落とされる方があとを絶ちません。
胃がん検診では、これまでのバリウムを使った造影検査よりも内視鏡検査を行うことで、胃がんの早期発見ができることがわかっています。
当院では以前より上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行っており、保険診療で行う検査以外に神戸市胃がん内視鏡検査も行っています。


当院では保険診療での胃カメラの検査数は今年4月の緊急事態宣言のころにほぼゼロになりましたが、現在はほぼ前年並みの件数を行っています。
しかし、神戸市胃がん内視鏡検診は依然として少ないままで推移しています。検診は自粛が続いているのでしょうか?
この状態が長く続くと胃がんの発見が遅れることに繋がりかねません。
健康を維持するためには各種検診をぜひわ忘れずに受けていただきたいと思います。

神戸市胃がん内視鏡検診は神戸市民の方のうち50歳以上の方で、今年度偶数歳になる方が対象です。
50~68歳の方は自己負担額2,000円、70歳以上の方は無料で受けられます。
ご興味を持たれた方はお気軽に当院までお問い合わせください。



日本医師会「みんなで安心マーク」を取得してみました。

2020/8/8
みんなで安心マーク表
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が増加を続けています。東京・大阪・名古屋・福岡といった大都市圏だけではなく、沖縄などの地方都市でもクラスターが発生し感染者が急増しています。
このためお盆の帰省も控える方が多くなっています。
また帰省される方も、感染予防にいつになく緊張感をもってむかえるお盆になりました。

そんななか、日本医師会が、COVID-19予防対策を行っている医療機関に対して「みんなで安心マーク」を発行する取り組みを始めたので、さっそく登録しマークを所得してみました。
先に発表されている「新型コロナウイルス感染症対策医療機関向けガイドライン」の中の感染予防の項目をチェックリストとして、ガイドラインを満たしている医療機関が登録できるものです。

チェックリストは以下の9項目です。
1.職員に対して、サージカルマスクの着用、手指衛生が適切に実施されている。
2.職員に対して、毎日(朝、夕)の検温等の健康管理を適切に実施している。
3.職員が身体の不調を訴えた場合に適切な対応を講じている。
4.患者、取引業者等に対して、マスクの着用、手指衛生の適切な実施を指導している。
5.発熱患者への対応として、事前に電話での受診相談を行う、または対応できる医療機関へ紹介する等の対策を講じている。また、発熱患者を診察する場合には、時間的または空間的に動線を分けるなどの対策を講じている。
6.受付における感染予防策(遮蔽物の設置等)を講じている。
7.患者間が一定の距離が保てるよう必要な措置を講じている。
8.共用部分、共有物等の消毒、換気等を適時、適切に実施している。
9.マスク等を廃棄する際の適切な方法を講じている。
感染対策チェックリスト
これらの対策は過去のブログでご紹介したとおり、チェックリストの項目は当院ではほとんどが3月ごろには開始していた取り組みです。


第1波の際は、通院される患者さんが、医療機関での感染が怖くて通院を自粛されました。
しかし、それにより生活習慣病の悪化や、足腰の具合が悪くなるなどして健康を損ねた方もいます。
今後はそのようなことがあってはなりません。

十分な感染予防策を講ずることで、安心して通院を継続できる環境を整えていく必要があります。
当院では感染予防対策を今後もブラッシュアップしていきます。 
かわクリニックは今後も垂水区にお住まいの方の内科として、かかりつけ医として、微力ながら地域医療を支えてまいります。

空間除菌消臭装置Aeropure(エアロピュア)を導入しました。

2020/8/3
エアロピュア本体
この度、当院の待合室受付に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、空間除菌消臭装置のAeropure(エアロピュア)を導入いたしました。
今回はこのエアロピュアについて簡単にご紹介します。(商品の宣伝みたいになるので、あくまで簡単に・・・)

深紫外線UV-Cとは?

紫外線は太陽から地球に降り注いでいる、エネルギーの高い光線の一種です。波長により3つに分けられます。

・UV-A:地表にとどく320~400nmの波長で、皮膚に当たると黒くなる日焼け(サンタン)を起こします。。
・UV-B:オゾン層により地表ににあまり届くことがない280~320nmの波長です。皮膚に当たると赤くなりサンバーンと呼ばれる日焼けを起こします。またビタミンDの合成にも関わります。
・UV-C:通常はオゾン層に妨げられるため、地表に届くことがない100~280nmの波長です。エネルギーが高く、殺菌性があり生物に当たると有害な波長です。

エアロピュアはこのUV-Cを使って空気の除菌を行います。(UV-Cは人体に有害ですが、エアロピュアは装置の中だけでUV-Cを発生させ外に漏れることはありません。)
UVについて

新型コロナコロナウイルスへの感染予防効果が確認されています。

エアロピュア紹介
エアロピュアは、深紫外線と光触媒を組み合わせて除菌効果を発揮します。2020年5月宮崎大学で行われた検証では、エアロピュアで使われているUV-Cが新型コロナウイルスの感染価を99.9%以上減少させ、感染予防に有効であることが確認されています。


今後も当院では患者さんに安心して外来受診していただけるように、感染予防対策を継続してまいります。

【2020年7月時点】新型コロナウイルス感染症に対する対応について

2020/7/21
緊急事態宣言解除後、人の動きが活発になっています。東京を中心に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し再流行し始めています。
さらに東京だけでなく、兵庫県でも感染者数が増加傾向にあり、神戸市内でも本日(7月21日)は7人の感染が確認されています。
最近の傾向として20~30代の感染が多くなってきています。手指の手洗いの徹底マスク着用ソーシャルディスタンスの確保は言うまでもありませんが、特に大人数での飲酒を伴う会食や、3密が避けられない場所に出かけることは慎重にならなければいけません。

当院では垂水区の内科・消化器内科の医療機関として、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防策を行っています。
4月のブログでは対応策をご紹介していましたが、この記事ではその後の対策をご紹介しようと思います。

これまで継続してきた感染防御対策・健康管理について

4月時点でのブログに記載した感染防御対策は以下のとおりです。これらの対策はすべて現在も継続中です。

・職員の健康状態の把握(出勤・退勤時の体温測定や風邪症状の把握)
・手指衛生・物品消毒の徹底(職員の頻回な手洗いやアルコール消毒、物品や机・手すり・イスのアルコールや次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒)
・飛沫感染防止対策(マスクのや手袋の着用・受付窓口の透明ロールスクリーンの設置)
・患者さんへのお願い(来院時の体温測定・マスク着用・手指のアルコール消毒)

・発熱・呼吸器症状のある患者さんの診察の分離(診察時間の分離・診察の空間的分離)
・院内での「3密」を避ける対策(定期的な換気・待合室のイスの配置の見直し・当日順番予約の採用)

スライド1受付飛沫感染防止カーテン

現在の感染防御策と診療状況

1.内視鏡検査の状況

当院では上部消化管内視鏡検査を行っていますが、3月以降(特に緊急事態宣言中)は、緊急性のあるものを除き検査を控えていました。これは、内視鏡検査の際に前処置や検査時に咳き込みを生じたりすることで、飛沫感染のリスクが高いと考えられているためでした。
当院では発熱や風邪症状のある方の内視鏡検査や、生検以外の処置を伴う内視鏡検査は以前から行っていませんが、無症状でも飛沫感染によりCOVID-19が拡がる可能性があるため、ガウンなどの防護服が十分でない状況での内視鏡検査は控えざるを得ませんでした。
このため、定期的に内視鏡検査を行っている患者さんには、時期を延期して頂いておりました。
緊急事態宣言解除後は、日本消化器内視鏡学会が出している指針を参考にして、以下のような対策を行いながら検査を徐々に再開しています。

・検査前後の手指消毒の徹底
・適切な感染防護具の着用(マスク・手袋・ガウン・フェイスシールドの着用)
・検査中・検査後の部屋の換気
・物品の消毒の徹底
内視鏡自動洗浄機202007内視鏡検査
(内視鏡終了時に撮影しました。わかりにくいですが、フェースシールドを着用しています。検査時は手袋を二重にしています(このときは検査終了後に1枚脱いでしまいました(;_;))。

2.院内各所での感染予防対策

・待合室椅子のソーシャルディスタンスの確保
待合室の椅子の配置の見直しでは不十分と考えられましたので、座席の間に距離をとって座っていただくようにしました。
(これにより、現在は待合室の座席は7人分しかありません。座席が不足する際はお車で待機していただくか、別室にてお待ちいただきます。)
・待合室の雑誌や新聞の撤去
飛沫感染の防止のため雑誌や新聞を撤去しています。
・院内各所の換気を行いながらエアコンを使用
当院は窓が多数ある構造です。待合室・診察室・処置室はそれぞれの窓を常時開けて換気を行いながらエアコンを使用し温度管理を行っています。
・トイレのジェットタオルの使用停止とペーパータオルの設置
飛沫感染防止のためジェットタオルの使用を中止し、ペーパータオルに変更しています。
・受付窓口に空気清浄機(エアロピュア)の設置
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して除菌効果が認められている、空気清浄機エアロピュアを設置しました。
・その他
運用面では患者さんの院内での動線ができるだけ少なくて済むよう、診療の手順の見直しを行いました。
エアロピュア202007待合室座席配置
一時期新型コロナウイルス感染症は高温多湿の夏になると自然に収束するのではないかと考えられていましたが、残念ながらそうではないようです。
長期戦を覚悟に、当院では今後も対策を怠らないよう備えてまいります。

【withコロナ】マスク着用とソーシャルディスタンスでCOVID-19を抑制できるのか?

2022/9/29
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2022-07-21 内容を一部修正しました。
2022-09-29 内容を一部修正しました。
兵庫県の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規発生は、5月16日以降ありませんでしたが、6月19日に1件発生がありました。神戸市広報課のツイートによると、6月6日時点で市内の感染者数がゼロになったそうです。

徐々に日常生活が戻ってきています。県をまたいだ移動も自粛が緩和され、学校の授業の再開や企業の活動も再開してきています。また、プロ野球もやっと開幕するとのことで、自粛していたスポーツやエンターテイメントといったイベントも少しづつ復活するようです。

一方で、東京や北九州では“接待を伴う飲食業”や“高齢者施設”での患者の発生が報告されています。一見感染者が増えているように見えますがおそらくそうではなく、厚生労働省がこれまで「濃厚接触者でも無症状の人はPCR検査を受けない」としていた方針を、PCR検査体制の拡充に伴い「濃厚接触者は無症状でもPCR検査を行う」方針に変更したため、広く把握ができたためと思われます。
依然として水面下で感染は続いていることを示すもので、都道府県をまたぐ人の往来ができるようになるこれからの時期、ここで感染予防対策を怠れば再び感染増加につながりかねません

今回のブログでは最近の論文から現時点でのCOVID-19予防としてのマスク着用とソーシャルディスタンスの必要性を、最新の論文の内容をご紹介しながら考えてみます。

マスクや人との距離を取ることでCOVID-19は予防できるのか?

まず、2020年6月1日Lancet誌にオンライン掲載された論文をご紹介します。この論文では過去に発表されたコロナウイルス(SARS-CoV-2やSARSの原因ウイルス、ベータコロナウイルス)で、ソーシャルディスタンスやマスク・ゴーグルがどのくらいの感染予防効果があるのかをシステマティックレビューやメタ・アナライシスという方法を用いて解析を行ったものです。現在のWHOのマスク着用に対する考え方はこの論文の内容を踏まえていると思われます。

Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis


これによるとウイルス感染は物理的距離が1メートル以内と1メートル以上で比較した場合、1メートル以上で82%ウイルス感染が低かったということです。また、距離が長いほど感染が低いという結果でした。
マスクの着用については、着用しない場合と比較して85%予防効果があり、特にN95マスクやサージカルマスクで効果が高かったという結果です。
目の保護具については78%の防御効果が見られています。

以上の結果から、現在COVID-19感染予防策として行われているソーシャルディスタンスを保つことや可能な限りマスクを着用し続けることは、個人の感染防御策として重要であり、今後も必要な対応であると考えられます。

個人での対策として、ソーシャルディスタンスやマスク着用が感染防御に重要なことはわかりました。では、社会全体で考えた場合、COVID-19の感染防御策としてのにソーシャルディスタンスやマスク着用が、感染拡大を抑制することに役立つのでしょうか?

社会的に見て、マスク着用は感染抑制効果が期待できるのか?

次の論文は2020年6月11日にPNAS(米国科学アカデミー紀要)にオンライン掲載された論文です。
Identifying airborne transmission as the dominant route for the spread of COVID-19
PNAS first published June 11, 2020 https://doi.org/10.1073/pnas.2009637117
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新型コロナウイルスの感染は中国武漢から始まり、その感染の中心はイタリアやニューヨークに広がっていきました。それぞれの地域での感染対策と感染者数を検討した内容です。これによると、当初ソーシャルディスタンスを取ることのみでマスク着用を義務化していなかった期間と、ソーシャルディスタンスに加えてさらにマスク着用を義務化した期間を比べると、感染者の抑制はマスク着用義務化を行った後に効果が見られています。さらに、上の図のように、途中からマスクを義務付けたニューヨークと、マスクを義務化しなかった他のアメリカ地域を比較した場合、ニューヨークでは感染拡大が抑えられたのに対し、他のアメリカ地域では抑えられていないことがわかります。

このことから、感染抑制の効果を都市レベルで考えると、ソーシャルディスタンスのみでは不十分で、マスク着用の義務化が必要と考えられます。論文ではCOVID-19の感染拡大にはエアロゾル飛沫の関与が飛沫感染や接触感染よりも大きいと結論づけています。
(個人的にはエアロゾル感染についてはまだまだ議論の余地が残るところと思います。)


以上、2つの論文を合わせて考えると、外出時は可能な限りマスクを着用して、ソーシャルディスタンスをとる対策を、今後も継続して行っていく必要があると考えて良さそうです。
少なくとも、ワクチンが実用化されて効果が実証されるまでは、これらの対策が必要と思います。

運動の際にマスクを外して良い状況とは?

では、ランニングを行う際にマスクをはずしていいのはどんな場面でしょうか?

前回のブログで、熱中症予防のためマスクを着用しながらの運動は避けるべきと書きました。マスク着用が身体にもたらす影響を室内で短時間で比較的強い負荷のランニングで検証してみました。個人的な感想ですが、マスクを着用すると体内に熱がこもりやすく、水分補給もしづらくなるため熱中症の危険が高いと考えます。よって、これからの時期のランニングは直射日光の影響で体温が上がりやすくなり、熱中症の危険が高まると考えられますので、マスクははずすべきと考えます。
ソーシャルディスタンスが十分に取れる場合はマスクを外すことができると考えます。よってランニングを行うとすれば、早朝や夜間の気温が比較的低い時間帯に、コース上で「3密」をさける事ができる場合と考えます。

また、必然的にマスクを外さなければならない場面を考えてみると、一例として飲食店で外食する場合が挙げられます。
ついたてなど飛沫が飛ばないように対策がしてあればいいですが、そうでない場合は感染リスクが高くなると思います。飛沫を飛ばさないためには余計なおしゃべりをせずに食べることが重要です。食事の前後には手洗いの励行による接触感染の予防も重要です。

withコロナの状況で迎える初めての夏です。感染防止と熱中症防止の両立が必要です。うまくマスクを利用して乗り切っていきたいですね。
お問合せはTEL: 078-781-1838
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